むじな

私がまだ子供だった大昔のことw、母方の祖母が、夢おおき私にw、色々な昔話を聞かせてくれました。その中の『むじな』の話を覚え書きしておきます。

むじなというと、小泉八雲の「怪談」の中の『むじな』の話が有名です。

あらすじは、ざっとこんな感じw
江戸の、赤坂の紀伊国坂は、日が暮れると誰も通る者のない寂しい道でした。
ある夜、一人の商人が通りかかると、若い女がしゃがみこんで泣いていました。
女は上品そうで、身なりも綺麗、髪もいいとこの、若い娘さん風に結ばれています。

その商人が心配して声をかけると、振り向いたその女の顔には、目も鼻も口も付いていない、のっぺらぼうでした。
驚いた商人は無我夢中で逃げ出し、屋台の蕎麦屋に駆け込みます。
蕎麦屋は後ろ姿のまま愛想の無い口調で「どうかしましたか?」と商人に聞きます…
商人は今見たのっぺらぼうのことを話そうとしますが、息が切れ切れで言葉になりません。
すると蕎麦屋は「こんな顔ですかい」と商人の方へ振り向きます。
彼ものっぺらぼうで、驚いた商人は気を失ってしまいます……

全ては、むじなが変身した姿だったとさ…ジャンジャンw

私が祖母から聞いた話しはこんなです。
時代背景は、今から60年〜70年程前で、実際にあった話として、聞かされました。

夕刻、玄関から土間続きの台所で、かまどに火を入れ、夕飯の仕度をしている、そんな忙しい時間、玄関から何やら人声がします…

『明日は日枝神社の掃除当番だよ!』

あれっ?今のは誰だろう…
隣組の組長さんかな?日枝神社の掃除は、確か来週のはずだけど…
そうか、日にちが変わったので、組長さんが連絡に来てくれたんだな…

と、次の日、掃除道具を持って、日枝神社に出かけます。
しかし待てど暮らせど、他の組員さんは誰ひとり来ません。

そこで気付きます…しまった!『むじな』に騙されたんだ!と。

その当時、あちらこちらで、そんな『むじな』の悪戯に騙された人がいたそうです。

ある時は、星川に鰻がうじゃうじゃいるよ!と言われ、翌日 四ツデ網を持って川に入ってみるも、鰻の影も形もない…とか、隣村の誰々の家が棟上げだよ!と言われ出かけてみるも、棟上げどころか、柱一本立っていない…とかw

何となく、微笑ましい悪戯ですがw

そして『むじな』の悪戯を防ぐ方法も教えて貰いました。

『何ですか?』と、聞き返すことだそうです。

『むじな』は、聞き返されても、返事をしない(できない?)そうですよ。

どんなに忙しい時でも、言われたことを、ちゃんと確認もしないで、鵜呑みにしちゃダメですよって、戒めですかね。

聞き返しても、聞こえているんだか、いないんだか…無反応で返事が返ってこない人っていませんか?
もしかしたら、その人は『むじな』なの鴨w

他にも、小針沼の大蛇の話や、うちの近くの鎧塚って地名に纏わる言い伝え、かまいたちのこと、などなど、面白い話をしてくれました。
私が覚えているうちにww時間を見つけて、覚え書きしていきます。

灰鰤で投稿 HatenaSync