ひとつを大切に

 「1」から「10」まで数える。次に「10」から逆に数えてみる。すると、読み方が異なる数字がある。「4」と「7」。正順では「シ」だったのが、逆順では「ヨン」と読む人が多いのでは。同じように「シチ」は「ナナ」と。

「1」から「10」の正順の読み方は、一種の成句として伝統的に定着しているという。それに対し逆順の時は、一つ一つの数字を個別に考える傾向がある。
 なぜ一つずつ意識した場合、読み方が変わるのか。「シ」は「死」を嫌って「ヨン」に、「シチ」は「イチ」との混同を避けて「ナナ」に置き換えるようだ。゙まとまり゙としてではなぐそれぞれ゙に光を当てる時、固定観念が消え、別の側面が浮かび上がってくる。

 「十把ひとからげ」と「十人十色」。同じ「十」でも、前者は個別に取り上げるほどの価値もないことを表し、後者は、かけがえのない個性の輝きが強調される。

 ひとりひとりに光を当ててこそ、その人の人格は輝くのだと思います。

灰鰤で投稿HatenaSync