温暖化への疑問にお答えします。

前回に続いて、環境白書のコラムを転写します。

温暖化への疑問にお答えします。

今般、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change 気候変動に関する政府間パネル)第4次評価報告書に関して、記載の誤りなど、報告書の信頼性について議論がおきています。

 しかし、これらの誤りは約1,000ページに及ぶ報告書の一部におけるものであり、報告書の地球温暖化をめぐる科学的根拠の信頼性は、依然として変わりないものです。なお、IPCCでは今般の問題を受け、IPCC報告書作成プロセス及び手続きの独立したレビューをインター・アカデミー・カウンシル(Inter Academy Council:IAC)に要請しました。IACのレビューの結果は、本年のIPCC総会で議論され、第5次評価報告書(平成25年〜26年に公開予定)の作成に反映される予定です。
ここでは、IPCC第4次評価報告書等による科学的知見をもとに、地球温暖化に関する疑問について解説します。

地球温暖化の主要な原因は、人為起源の温室効果ガスの増加であるという証拠は十分なのか。

 世界平均気温を変化させる要因には、温室効果ガスの排出等の人為要因だけでなく、太陽活動、火山活動つよって排出されるエアロゾル等の自然要因も含まれ、これらさまざまな要因が組み合わさって気温の上昇や低下がもたらされます。20世紀中頃には、大気中の温室効果ガス濃度が増加していたにもかかわらず、ほかの要因との相殺で世界平均気温が横ばいとなった時期がありました。IPCC第4次評価報告書では、1906年から2005年の気候のシミュレーションを行なった結果、人為的温室効果ガスの増加を考慮しないと、最近数十年に観測された急激な地球温暖化を再現できないとしており、20世紀半ば以降に観測された世界平均気温の上昇のほとんどは、人為起源の温室効果ガスの観測された増加によってもたらされた可能性が非常に高いとしています。

温室効果が一番大きいのは水蒸気であり、二酸化炭素が少し増えるくらいでは影響はないのでは。

 現在の大気において、水蒸気は最も大きな温室効果を有する(約6割)のは事実ですが、二酸化炭素もその寄与分は約3割と重要な役割を果たしています。大気中の水蒸気の量は、大気と海洋・陸面との間の交換(蒸発・降水)によって決まります。直接的に人間活動の有り様によって、その量が大きく増減することはありません。また、水蒸気は、気温が上昇すると、大気中でその量が増加し、ますます地球温暖化を促進すると考えられていますが、その気温上昇への寄与については、人間活動による二酸化炭素の排出に拠るところが大きいようです。つまり、水蒸気は現状において温室効果を有しており、将来、地球温暖化を増幅させる可能性をもつという点において、確かに注視しなければなりませんが、その増加をもたらさないためには、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出を抑えることが有効です。

地球温暖化の主な原因は、温室効果ガス濃度の増加ではなく、太陽活動の活発化などにあるのでは。

 地球の平均気温を変化させる要因には①で示したとおり、温室効果ガス濃度の増加だけでなく、太陽活動の活発化(太陽の放射エネルギーの増加)なども挙げられます。しかし、太陽活動のよい指標である太陽黒点数の最新観測データを見ると、20世紀半ば以降はほぼ横ばいか減少傾向で、太陽活動が活発化している可能性は小さいと考えられます。また、地球に到達する宇宙線(宇宙空間を漂っている電気を帯びた原子核)は雲を形成するといわれ、太陽活動が活発な時はこの宇宙線が減少し、これに伴い雲量が減って気温が上昇する、との説がありますが、現段階では宇宙線と雲量の相関については明瞭な対応が見られず、物理的な機構も解明されていません。IPCC第4次評価報告書では、このYぷな太陽活動や宇宙線等の自然要因に関する科学的議論も踏まえ評価した上で、20世紀後半の気温上昇の主要因は人為起源の温室効果ガスの増加である可能性が非常に高いと結論づけています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
地球は、気の遠くなるほど長い時間をかけてこの自然を育み、作り上げてきました。
その自然を破壊しているのは、間違いなく私たちです。
そのことを忘れちゃダメ。
そーゆー意味も含め、覚書しておきます。

灰鰤で投稿
HatenaSync